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  特集 : 新型コロナウィルス情報 
 
正しい知識で感染拡大を防止し、早期に収束に向かわせましょう

   2019年12月に初めて感染が確認された新型コロナウィルスCOVID19、いまや歴史的事態となって世界を席巻しています。私たちは現実を正しく認識し、正しい対応をすることにより、感染拡大を防止し、一日でも早い収束を期せねばなりません。当会の専門家中村邦彦氏(H03医)に数回に亘って解説していただきます。   
 


 第3回(2020年10月20日掲載)                        第1回へ  第2回へ

今回は感染対策についてです。COVID19の飛沫感染と接触感染が主な感染経路です。

飛沫感染の対策は以前にも述べましたが、基本的にはマスクの装着が何よりも大事です。飛沫はくしゃみや咳で飛び散るものですが、その距離はおよそ12mと言われています。ですので、よく言われているソーシャルディスタンス(社会的距離)を取りましょうというのは、2mと定められています。これはマスクをしていない場合なので、お互いがマスクをしている場合で短時間であれば、もう少し近い距離で接してもおそらく大丈夫ということになります。室内で問題となっているのは、エアロゾル感染です。これは、換気の悪い所ではウィルスの粒子が床に落ちず数時間に渡り漂い、これを吸い込むことによって感染するものです。空気感染は、ウィルスがどこまでも空気中を漂い、10m以上離れても感染する場合があるもので、エアロゾル感染とは違います。海外の報告ではCOVID19で空気感染があったとされているものもありますが、海外では空気感染とエアロゾル感染の定義が曖昧なためのようです。COVID19では、空気感染はないと思っていただいて構いません。エアロゾル感染の対策は、換気が極めて有効です。室内の全ての場所で空気の停滞を避け、換気口(窓や換気扇)へ向かって空気の流れを作ることが大事ですが、いろいろな方法(サーキュレーターの使用など)がメディアで取り上げられていましたので参考にしていただくのがよいと思われます。

接触感染については、顔にウィルスを付着させないことが重要です。外出時には何かを触ったら自分の顔を触らない、こまめに手洗いをする、あるいは手を消毒することが勧められます。帰宅時には室内にウィルスを持ち込まないために、まず手洗いを洗い残しがないように15秒以上かけて十分にするのがよいとされています。手洗いの方法も、メディアで何度も取り上げられていると思います。さらに環境中のウィルス排除も重要ですが、これには消毒剤によるふき取りが有効です。ただの水拭きは、COVID19と同じコロナウィルスによる感染症のSARSでホテルの同じフロアを水拭きで掃除したことにより感染を広げたことがありましたので勧められない可能性があります。消毒剤としては7080%アルコールや約0.05%次亜塩素酸ナトリウム(ハイターで作製可能)が医療機関ではよく使用されていますが、家庭用家具・台所洗剤(バスマジックリンやかんたんマイペットなど)でも代用できます。これらはあくまで拭き取り用で、空気中噴霧はするべきではありません。空気中噴霧の有効性は認められていませんし、かえって吸い込むことにより呼吸器を傷める可能性があります。

最後に、話題になりましたポピドンヨード製剤(イソジンなど)について述べたいと思います。ポピドンヨードは皮膚や粘膜などの消毒剤として医療現場では手術や処置で頻用されているものです。その効果は極めて高く、一定時間、使用された表面からほぼ完全にウィルス・細菌を除去することが可能です。これは吉村大阪府知事の言うように嘘のような本当の話ではなく、医療現場では当たり前のことです。ですが、決してウィルスに対する治療効果や予防効果は一切ありません。また作用時間は永続ではなく一定時間ですので、吉村知事の勧めたポピドンヨード製剤による感染予防をしようとしたら、日に何度もこれによるうがいをしなければなりません。ポピドンヨード製剤の効果は強力ですが、過剰使用は粘膜の傷害を引き起こします。一政治家の十分な知識のない会見に惑わされて飛びつくのは、医療現場に負担をかけることになりますので、避けていただきたいと思います。


 
                                          
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